早いもので2025年に入って、1ヶ月が過ぎてしまった。2月3日に試験期間が終わり、学生たちは春休みに入るが、教職員はこれから一般選抜つまり入試の時期を迎える。先月末に一般選抜の志願者数が確定し、学部長としては昨年度を上回ったことに胸をなで下ろしたが、これから緊張を強いられる本番が近づいてくる。自分が受験生だったころはもうはるか彼方であるが、スムーズに受験をしてもらうように準備する側がこんなに大変だとは想像もしなかった。 2025年4月で湘南藤沢キャンパス(SFC)は設立35年となる。あと5年で40周年だ。今年度いっぱいでSFCを去られる教員が何名もいらっしゃるが、そろそろキャンパスの立ち上げに関わった教員はほとんどいなくなりつつある。最近は新たな教員を数多く迎えていて、現在も環境情報学部としては5名の教員を同時に公募している。
総合政策学部・環境情報学部・政策・メディア研究科では、組織運営を合同で行っているが、常にどのような教員を採用すべきか、どのような学生に集まってほしいか議論している。どのような教員を採用するかは、この2学部1研究科がどちらに行くかを左右するし、どのような学生が集い卒業(修了)していくのかは、私たちの評価につながっていく。
学部にとっては、これからの若年層の人口減少は他の大学と同様に喫緊の課題である。SFCが設立された1990年の18歳人口は約201万人であった。そしてその2年後にピークを迎え、一気に減少を続けている。2025年度の18歳人口は約109万人であるので、当時の半分近くになっている。2030年には約105万人、SFCが50周年を迎える2040年には約88万人まで減少すると予想されている。
国としても大学の教育研究のあり方が議論しているところであるが、私たちもカリキュラムや入試の在り方を考えなければならない。私たちの両学部では、英語のみで必要な単位を取得できるGIGAプログラムを実施していて、既に留学生を迎えているが、これを拡充していくことも必要だろう。また、私たちはAO入試を日本で初めて導入し、一般選抜と併せ実施してきた。他にも留学生入試や帰国生入試など様々な入試が行っているが、基本的なスタイルは当時と変わっていない。SFCは慶應義塾大学にとって最も新しいキャンパスであり、新しい取組はSFCからという雰囲気は未だに存在しているが、SFCが先取りしてきたものの多くはいたって普通のことになった。生成系AIの急激な進歩などを含め、私たちを取り巻く環境は激変しつつある。学生、教職員がともに次の新しいSFCを創らなければならないし、それに加わってくれる仲間を私たちは待っている。