未来創造塾
未来創造塾事業 ~これまでとこれから~
慶應義塾が創立150 年をむかえるタイミング(2008年)で構想された「未来創造塾事業」は、着想から計画・実現にいたるまで、さまざまな社会情勢の変化に直面し、計画の再検討・変更をせまられました。しかしながら、滞在型教育研究環境の整備こそが、湘南藤沢キャンパス(SFC)の 個性を際立たせるという理念は、当初から揺らぐことなく、実現に向けた創意くふうがくり返されてきました。
東側の用地(旧EAST 街区)は、β(ベータ)ヴィレッジと呼ばれ、授業や研究会などと連動した滞在型教育研究施設(SBC)として整備されました。西側(旧WEST 街区)のΗ(イータ)ヴィレッジには、オンキャンパス型の学生寮が建設され、2023年度より入居がはじまっています。
航空写真のとおり、キャンパスの北側に未来創造塾(βヴィレッジ・Ηヴィレッジ)が広がります。2023年、Ηヴィレッジの開設にあたって、キャンパス内を巡る外周道路沿いの木々が一部伐採され、共用棟(ソルト・ハウス)と接続されました。木々に囲まれていたキャンパスが、「外」に開かれたことはとても象徴的です。それは、開設から30年を経て、湘南藤沢キャンパスが、藤沢市遠藤のコミュニティに向けて、未来に向けて、さらに広がってゆくというメッセージです。
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未来創造塾事業開始時のイメージ図
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2023年3月 航空写真
年 | できごと |
---|---|
2007年 | 未来創造塾事業がはじまる |
2008年 | 慶應義塾創立150年 |
2012年 | 未来創造塾事業募金はじまる |
2015年 | 湘南藤沢キャンパス創設25 年 EAST 街区でSBC(Student Built Campus)がはじまる |
2016年 | 未来創造塾事業募金終了 β1竣工 |
2018年 | β2竣工 |
2020年 | 湘南藤沢キャンパス創設30年 未来創造塾事業募金 寄付者銘板設置 β3、β4、βドーム、βスタジオ、βパビリオン竣工 |
2021年 | 看護医療学部創設20年 Ηヴィレッジ着工 |
2023年 | Ηヴィレッジ竣工 |
2007 年に始動した「未来創造塾事業」は、学生や教員をはじめ、塾内外、国内外を問わず多くの人が湘南藤沢キャンパス(SFC)に滞在し、共に生活しながら半学半教を実践する滞在型の教育研究施設の整備を目指してすすめられてきました。
Ηヴィレッジ
西側(旧WEST 街区)は、オンキャンパスの国際学生寮学生寮の建設計画は、2007 年にスタートした「未来創造塾事業」の一環として構想されました。募金事業による資金調達がすすむいっぽうで、リーマンショックや東日本大震災など、さまざまな理由から事業はたびたび中断を余儀なくされました。しかしながら、2019 年1月より当時の執行部を中心に計画の再検討がはじまり、実現に向けて動きはじめました。
再計画ではPFI 的な手法を取り入れることになり、事業者の選定を経て、2021年8月に着工、COVID-19 の影響下にあるなか工事がすすめられ、 2023年2月、オンキャンパス型の国際学生寮「Η(イータ)ヴィレッジ」が竣工。2023 年3月に開寮式がおこなわれ、本年度より寮生たちがオンキャンパスで生活しています。
Ηヴィレッジは4つの居住棟と共用棟によって構成されています。キャンパスの外周道路と接するところに共用棟があり、その先の中央広場を囲むかたちで4つの居住棟が配置されています。
具体化に向けて、「多様性のなかで暮らす」「コミュニケーションで解く」「実験する精神」の3つのコンセプトのもとに、学生寮のあり方を検討しました。300人を収容する学生寮は、5つの個室と1つの共用部(リビング,水回り)からなるユニット室を基本に構成されており、共用のキッチンやラーニングコモンズなど、寮生たちの交流を促す場も整備されています。
2022年11月より広報を開始し、第1期(2022年12月)および第2期(2023年3月)の入居者募集では、新入生を中心に120 名ほどの応募がありました。ユニットリーダー、ハウスリーダーを中心に「球技大会」などのイベントが企画されるようになり、少しずつ寮生たちの紐帯が育まれているようです。9月には、留学生を中心とするあらたな入寮生たちを迎えるウェルカム・バーベキューも開かれました。
●Ηヴィレッジソルト・ハウス | 共用棟(食堂・多目的スペース・会議室) |
パプリカ・ハウス | 居住棟 85名(男女混住) |
ターメリック・ハウス | 居住棟 65名(女性専用) |
ローズマリー・ハウス | 居住棟 75名(男女混住) |
バジル・ハウス | 居住棟 75 名(男性専用) |
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βヴィレッジ
東側(旧EAST 街区)は、短期滞在型教育研究施設2015 年、「未来創造塾事業」の一環として学生・教職員・卒業生による「SBC(Student Built Campus)」が発足し、SBC 合同研究会の学生と教員が中心となって「未来のキャンパスは自分たちで創る」をコンセプトに掲げ、あたらしいキャンパスづくりに取り組みました。
このプロジェクトをとおして、デザインや用途がことなる全7 棟の施設群を建設し、「計画」「設計」「施工」「運用・検証」「解体」までを自分たちで企画・運営することを目指してきました。このプロジェクトは建物のハード面にとどまらず、そこで行われる教育プログラムや運用システムといったソフト面の開発にも取り組むことで、今までにないあたらしい大学のあり方を構想しています。
2016 年に滞在棟1とDFF-W が、2018 年に滞在棟2が竣工し試験運用を開始しました。2020 年には、あらたにβ 3、β 4、βドーム、βスタジオ、βパビリオンが完成したことで、SBC の全施設が竣工し、区画名称であるEAST街区から施設名称である「β(ベータ)ヴィレッジ」と呼び名を変え、SFC の滞在型教育研究の新たな拠点として本格的な活動をスタートしています。
COVID-19 の影響下では利用が制限されていましたが、現在は、SBC を利用しながらSBC について考える科目群(SBC 入門、SBC 実践など)が開講されているほか、研究会合宿、特別研究プロジェクト等で、さまざまな滞在型教育研究の実践がおこなわれています。
また、七夕祭や未来構想キャンプ、ORF(オープンリサーチフォーラム)などのイベントでも、展示・ワークショップ開催・成果報告の会場として活用されています。
β1(+DFF-W) | 滞在棟(32 名)+デジタルファブリケーション施設 |
β2(+βキッチン) | 滞在棟(40名)+キッチン |
β3 | 滞在棟(35名) |
β4 | 滞在棟(12名) |
βドーム | 教育研究発表棟(40 名) |
βスタジオ | 実習・作業スペース(32 名) |
βパビリオン | 学内外への窓口(20 名) |
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Ηヴィレッジ奨学金
未来創造塾募金事業(2012年9月1日~2016年3月31日)による寄付総額は約9億円、総数約4,000 件でした。ご寄付をいただいたみなさまには改めて深く感謝申し上げます。いただいたご寄付は、βヴィレッジの一部の施工費用やΗヴィレッジ建設前の調査設計費等に使用させていただき、残りの大半の寄付金は基金化し、その運用果実をΗヴィレッジに入居する学生の奨学金(家賃補助)など、Ηヴィレッジ運用のための経費として活用することになりました。
関連ニュース
2023/3/31 | オンキャンパス国際学生寮 「H(イータ)ヴィレッジ」開寮式 |
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2023/3/7 | 【プレスリリース】慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC) オンキャンパス国際学生寮「H(イータ)ヴィレッジ」を開寮 |
2023/2/27 | オンキャンパス国際学生寮 「H(イータ)ヴィレッジ」竣工式 |
2022/11/20 | キャンパス内初の学生寮、Η(イータ)ヴィレッジ 公式サイトがオープンしました |
2022/6/3 | 未来創造塾Ηヴィレッジ学生寮の建設について |
2020/11/2 | βヴィレッジ(イースト街区)の全施設が竣工しました |
2020/6/22 | 慶應義塾大学未来創造塾募金の寄付者銘板を設置しました |
2020/3/23 | βヴィレッジ(イースト街区)の建設状況について |